第40回 朝飯前のおはなし 田中尚人

2009/04/01 水曜日

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ママたちの朝は、とにかく早い。そのうえ多忙だ。
洗濯、干し、ゴミの分別、朝食作りとあと片付け、
子どもの登園登校の用意、連絡ノート書き、送迎、そして掃除機、 乳児がいれば、授乳、げっぷ、おむつ交換、お着替え、抱っこも加わる。

二日酔いであろうが、花粉症であろうが、生理中であろうが、
低血圧であろうが、38度の熱があろうが、なんら考慮されない。
家事育児には、病欠も引きこもりも、あり得ない贅沢。
そのかわり、リストラもないわけだけど。

家族の起床時間が違えば、これまた大変な二度手間三度手間だ。
しかも朝の風景と言えば、ダンナは寝間着でコーヒー片手に、
ゆっくり新聞など読んで、出勤前のしばしのリラックスを実力行使する。
そして「この前、クリーニングに出した上着は、戻ってきた? どこ?」
などと小学生みたいな質問を、ろくすっぽ探さずに発したりする。
子どもたちは、なかなか布団から出てこない。

不慣れな男がやったら2、3時間かかってしまうはずの労働を
ママたちは、毎朝、嵐のように一時間以内でこなさなくてはならない。
働くママは、この時間内に出勤の用意も重なるから、
多忙さはさらに加速することになる。

家事を妻に頼って生きているダンナたちの撃退法については、
「パラサイト・ハズバンドを絶つ」 で厳しく触れた。
金を稼ぐこと以外のすべてを妻に依存する旧型の夫、パラサイトハズバンド(以後、略してPHD)の見極めは、朝で決まる。
朝の慌ただしい時に、家事をしない男は、間違いなく帰宅後も何もしない。
ということで、朝の仕事をいかにしてダンナと子どもに分け与えるか、
この結果が、ママたちにやっとコーヒー一杯分のリラックスを導くのだ。

間違えてはいけないのは、家事や育児を「手伝う」「協力する」のではなく、
自分で気がつき、自分で主体的にこなすことが、
「家事をする」「育児をする」という行為。
「夫の育児参加」とか「家事協力」なんて言葉がよく使われるけれど、
あれは、子どものおつかいに等しい。つまり「ぱしり」にすぎない。

で。朝の作戦。
解決法は、いたって簡単なんだよね。
朝、起きなければいい。
そして、起きても、何もしない。
これを数日繰り返すだけ。

もちろん、すぐにトラブルが勃発する。
ダンナや子どもたちは、朝食抜きで不機嫌に出社、登校するしかない。
「ママが起きてくれないから、遅刻したし、忘れ物もした」
「ママがご飯作ってくれないから、空腹で死ぬかと思った」
「玄関前のゴミが邪魔。ママ、出しといてよ」

これこそ思うツボ、好機と捉える。
対応は簡潔にいこう。
「どうして、ママだけが、ぜ〜んぶ、しなくちゃならないの?
ママに、よ〜くわかるように説明してよ」
と、理論的なカウンターパンチでノックアウトする。

正攻法が好きなママは、前日から家事ボイコットの宣戦布告をしておく。
そうすれば、「そうは言っても、急にやるのはヒドいよ」
という反論を事前に封じ込むことができるはず。

議論が苦手で、直接的な対決も困る、というママは、
「具合が悪いので、起きられないの。悪いけど、自分たちでなんとかしてね」と弱々しく言えばいい。

もちろん、何もしない家族をいままで野放しにしてきた責任は、
ママ側にもある。
なので、ブチ切れボイコット目前に、優しく事情説明をして、
朝の家事分担を決め、手取り足取り教える、という試みがあっても
いいかもしれない。
ま、それで解決できれば、苦労はないわけで。
膝を交える話し合いなどで、ダンナのライフスタイルは変りっこないのは、
皆さんご承知の通り。
膝は交えるよりは、蹴りを入れるために使うってことかな。
いずれにしろ、本気で解決したい場合は、実力行使のみ。

現状に不満はあるけれど、ダンナや子どもたちに、そんなことできない、
というママは、黙って耐え忍ぶという選択を自ら下したことになる。
そればかりじゃなく、子どもたちを家事ができないPHDのダメダメ男のまま、
世に送り出すという、負のリングに加担したことになる。
さらにそれだけじゃなく、
これからの時代、育児家事ができないオトコは、モテないから、
婚期も遅れ、ママが面倒を見てあげなくちゃならない期間も
それだけ増える、というわけ。

で、ここからは、パパの朝ご飯作り指南。
忙しくて、夕食時に帰宅できないパパは、
せめて朝の食卓で一堂に会して、家族とコミュニケートしてほしい。
それは、パパがマネジメントする。
朝食の用意をしつつ、ゴミ出しに意識を向ける。

パンやコーンフレークは、簡単でいいけれど、
割高だし、欧米型の孤食を助長するので、なるべくご飯粒を食べよう。
ご飯をチンする、納豆、漬け物などを冷蔵庫から出す、前夜のみそ汁を温める。
たった、それだけでいいのだ。
テキパキやれば、2分間で用意完了する。

とはいえ、朝はパン、という諸兄には、こんなレシピを。

◆卵トースト
フライパンに薄く油をひき、目玉焼きの要領で卵投入。
強火のまま塩、胡椒して、間髪入れずに食パンをのせて、
黄身を潰すように押し付ける。
卵に火が入り、トーストに張り付いたら、裏返して、オモテ面が薄くこげるまで焼いて、出来上がり。
このレシピだと、目玉焼きとトーストを分けて作らずにすむ。
トースターの前で腕組みする必要もない。
調理時間もトーストよりずいぶん速い上、結構クセになる食感なのだ。

◆オヤジ式フレンチトースト
卵と牛乳をよく混ぜ、食パンを浸す。
砂糖もシナモンも混ぜない。
薄く油をひいたフライパンで焼く。
両面がキツネ色になるまで焼いたら、皿に盛る。
トンカツソースをかけ、ナイフとフォークで、ステーキのつもりで食べる。
ここが、「オヤジ式」の所以。
甘いはずのフレンチトーストがソース味になってると、
味覚ショックがあるかもしれないが、試してみると、かなりイケルのだ。

◆丸かじりバゲット
本来、アウトドア系のレシピだけど、
ちょっとだけ手間をかけた一品。
フランスパンを半分にカットし、フォークで中身をほじくり出す。
ほじくったパンは、残しておく。
フライパンにバターをひき、ニンニク少しとタマネギのみじん切り、小エビのむき身を炒め、先ほどのフランスパンの中身を加え、パセリのみじん切りと合わせて炒める。塩、胡椒で味を整えてから火を落とす。
中身をくり抜いたバゲットに、炒めたものを詰め込む。
この際、賽の目に切ったチェダーチーズも適当に混ぜ入れる。
具を詰めたバゲットをアルミホイルでしっかり巻き、トースターで表面がパリっとなるまで、じっくりと焼いて仕上がり。
表面はパリッ、中身はチーズやエビの汁気がふわっとしみ込んでいるはず。
ダイナミックにかぶりつく。
エビむき身の代わりに、厚切りのベーコンや、粗く切ったチョリソソーセージ、スモークチキンもオッケー。
キャンプの朝ご飯にベスト。

さて。
フレンチトーストといえば、滝村パパはじめ、この連載ブログ執筆者の安藤哲也、金柿パパ、奥平パパ、川島パパら全員が参画しているNPO法人ファザーリング・ジャパンでは、父子家庭を支援する取組み「フレンチトースト基金」を始めたばかり。なぜ「フレンチトースト」なのかは、pdfを見て下さいね。

働きながら子どもを育てることについては、母子家庭の苦労と全く同じではあるものの、現在20万弱の世帯がいる父子家庭には、社会的な支援、助成が極端に欠落している。世間的にも意識や注目度が極めて低く、差別的な誤解すら目にすることがある。
行政が動かないなら、草の根活動として、僕たちが声をあげようじゃないか、ということになったのだ。
読者の皆さんのご理解ご注目、お力添えをぜひぜひお願いしたい。
もちろん、寄付だけじゃなく、様々な支援についてもご意見お力添えをお願いしたい。

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この商品へのコメント一覧

2件

ねぼすけママ

2009/04/08 07:13

田中パパさん、連載再開、待ってました~!
ん~?フレンチトーストにとんかつソースですかぁ。
どんな味になるのか、ぜんぜん想像できな~い。
パパに味見(毒見?笑)させてから、食べてみようかな。
それより、パパに朝ごはん作ってもらえるよう、がんばらねば・・・。

お腹が減る連載、楽しみにしてま~す。

ねぼすけママ

2009/04/10 08:27

田中パパへ。
ソース味のフレンチトースト、試してみましたよ~。
私はやっぱりハチミツかけて、ふわっとしたのが好きだけど、びっくりしたのは、お子たちとパパの反応。
え、なんだかおいしい~って何枚もおかわりしてました。また作ってよ、これ。だって~。
でも、なんか~、人前で自慢したくないレシピ・・・失礼。