第44回 弁当作るために早寝せねば! 田中尚人

2009/04/28 火曜日

イラスト

ずいぶん前の話しだけど。
飲み会に青ネギのはみ出した買い物のレジ袋を持参したことがある。
おかげで、安藤パパには、
いまだに「酔って帰宅して、煮物作るヤツ」と憶えられてしまった。

確かにあの晩は、翌日が長男の運動会だったので、弁当の仕込みを約束していた。
フラフラしつつ台所に立ち、椎茸と鶏肉、こんにゃくの煮物の鍋を睨みつつ、別鍋で唐揚げを揚げたような気がする。
本来は、酔ってる時は、包丁と揚げ物は禁物。
とはいえ、揚げたての大量の唐揚げを味見しながら、うっかり冷蔵庫のロング缶に手が伸びてしまったのは、まぁ、当然の成り行き。

翌日、酒が抜けないまま出場した三人四脚では、無様にも足がもつれて大転倒し、25年ぶりに膝小僧を盛大に擦りむいた。
四十越えると治癒力が急低下するらしく、かさぶたが出来ず、治りが遅かった。

ということで、今回は弁当作りのお話し。

田中家のルールは、先に起きた人が弁当を作る、というもの。
いつからそんなルールになったのか、まったく記憶がないけれど、
これがひどいルールであることは、ちょっと考えれば誰にでもわかるはず。
そう。妻は朝、起きなくなってしまった。
とうとう永眠したか、と思う程、屈託ない寝たフリを毎朝披露してくれる。

それが10年近く続いている。
まぁここ数年間は、さすがに僕も学習して、上手に寝たフリをするようにはなったけど。

それはともかく。
子どもの弁当作りの鉄則は、
1. 後片付け含め、10分程度で作り終えること。
これは説明不要。忙しい朝は、段取り勝負。
時間がない時は、梅干しとおかかだけでもいいのだ。
要するに手間ひまかけていられないわけ。
 
2. おかず、ご飯は、可能な限り冷ます。
熱いままセットすると、昼までに蒸れて痛みやすくなる。
煮物、生姜焼き、鳥そぼろは、冷めていく過程で味が落ち着くので、僕は熱いまま盛りつけてしまうけれど。
 
3. 昼頃に食べて旨くなければならない。←これ、特に大事。
たいがいのものは、熱いうちに食べればなんとか食えるものだけど、冷めても食が進むレシピこそ、弁当の本随。
 
4. 安価であること。
毎日のことなので、トータル100円ぐらいで仕上げたい。
 
5. 色どりや、見てくれにこだわらないこと。
男が作る弁当なんだから、キャラ弁なんて、もってのほか。
お父さんが朝から海苔をミッキーの形に切る後ろ姿など、見せてはいけない。
それに、型抜きしたニンジンは無駄が出る上に、味がイマイチ。
プチトマトは、ご飯のおかずにはならないし、ピーマンは弁当全体に匂いがついてしまう。
 
6. そして。
作ってあげても、子どもに感謝されないことを覚悟すること。
だけど、お残しは断固として許さないこと。

これ以外で、気がついたこと。
・豆板醤など辛み系の味は、冷めると効き目が減る。
・塩、醤油味は、冷めると、やや強くなる。
・大根、人参、ピーマンは、作っている時はいい感じだけど、
昼に弁当のふたを開けた時、独特の匂いが充満していて、ウップとなる。
タクアン、キムチ等、発酵系は、特に注意。
・ 子どもは、基本的にカバンを振り回したり、手荒に扱う生物なので、ご飯や 
おかずが寄ったり、混ざらないよう、きっちり詰める。
・ とはいえ、どんなにバランで仕切っても、必ず混ざるので、弁当箱に詰める時の隣同士の相性をよく考える。
甘い煮豆と高菜漬が混ざったり、塩もみキュウリと煮物が混ざると、食い物とは言えないシロモノになってしまう。

こんなことは、毎日、お弁当を作っているママたちからすれば、常識だろうと思うけど、毎日ではないとはいえ、出勤前に作り続けてきた経験を、誰かに褒めてほしい、というのが本音。

本音ついでに恥ずかしながら、作品を公開。

写真これは、高1のコータ用。
おかずは、鳥ももの焼鳥、椎茸の煮物。かいわれ大根。
ご飯に乗っているのは、茶豆とシジミの佃煮。ひたすらご飯が進むガテン系弁当。
写真だし巻き卵、アジのチーズはさみ焼き(生協で購入した冷凍もの)、仕切りは、生キャベツが役に立つ。
そして、豚ひき肉のそぼろ。
これは、ゴマ油で豆板醤、ショウガ、ネギを炒めて香りを立たせてから赤身を入れ、紹興酒、オイスターソース、醤油、甜麺醤で味つけしたもの。ニンニクを入れたいところだけど、弁当箱を開けた時の臭気を考えると、NG。一気に作れば6分ぐらいで完成する。
写真イカは、さっと湯煎してから炒めればミニミニサイズにならずに済む。
それを強火で炒めて、醤油、酒、みりんで味つけしたもの。
フライパンに残ったタレで、インゲンにも味つけ。朝からビールをプシュっとやりたくなるね。
見てくれは悪いけれど、辛し高菜、海苔が合うはず。辛し高菜は、豚ひき肉を加えて、さっと炒めると、ぐっとオリジナルテイストになる。
写真これは、小1のアイク用。カミサンと合作。おかずはカミサン・メイド。
プチトマト、チーズ、野菜の鶏肉ロール(これも生協の冷凍もの)、竹輪。
僕が用意した薄味のカレーピラフ。デザート付きだぞ、アイク。
こうして見ると、弁当は夫婦合作のほうがバランスがいいんだけど、
朝から狭い台所で合作しようものなら、喧嘩は覚悟したほうがいい。

なんだ、生意気に「鉄則」なんて謳っておきながら、フツーの弁当じゃないの、と思われた方に言い訳するが、毎日のことなので、ズルは当り前なのだ。

ということで、今回は自慢話に徹してしまったが、子どもたちにとってみれば、
弁当は、ママだけじゃなくて、父さんも作ってくれた、という記憶が残るはず。

いつか自分たちが父親になった時、「そういえば…」と思い出してくれれば、僕の早起きは無駄にならなかった、ということだ。

この商品へのコメント一覧

2件

ままん

2009/05/08 19:33

おお!おいしそうなお弁当ですね〜。

「作ってあげても、子どもに感謝されないことを覚悟すること。
だけど、お残しは断固として許さないこと。」

深いですな〜。

そういえば「忍たま乱太郎」の食堂のおばちゃんも
「お残しはゆるしまへんで〜」
っていってましたね。

みっち

2009/05/12 07:39

スタミナたっぷりのオトコのお弁当!って感じですね。
カロリー高そうだけど、おいしそう!

お弁当作ってくれるパパ、うらやましいな~。
っていうか、そんなパパ、私のまわりにはいないんじゃないかな。
冷えてもおいしい、って確かに大事なポイントです。
田中パパ、ポイントしっかりおさえてます。うん。やっぱ、うらやましい、っていうよりビックリです。