第20回 子育てBBQのツボ 田中尚人
2008/05/21 水曜日

この季節、日帰りのキャンプ場や河原は、BBQを楽しむ家族連れや仲間同士で大いににぎわう。
オープンエアで飲んだり食ったりするのは、僕も大好きなんだけど、タナカ家のBBQは、たぶんちょっと変っている。
まず、庭で楽しむ場合以外は、BBQグリルやガスバーナーを使わない。
かまどは、そこらの石を転がしてきて風向きを考慮して自前で作る。
売っている炭は極力使わないので、子どもたちは薪拾いしないと飯にありつけない。むろん着火剤なんてものは使ったこともない。
子どもたちは、焚き付け用の細い枯木と、炭作りに適した実の詰まった薪、自分たちが火遊びするための棒切れなどを、その都度調達してくる。
他のキャンパーが後始末せずに放置した炭や薪も、ちゃっかり頂戴する。
鉄板は使わず、基本的にすべてを金網の上で調理する。鉄板焼肉&焼きそばという定番メニュー(ってBBQやる人って、これしかやらない人が多いのはなぜ?)は、脂とタレで胸焼けするので、決して、やらない。
丈夫な金網があれば、鍋もフライパンも置けるし、魚や肉料理も余計な脂が落ちるので、都合がいいしね。第一、炭火の上に鉄板を置いてしまったら、炭を使う意味が全くないわけでしょ。
と、ここまで書くと、アウトドアの達人?ランボー? なんて勘違いされそうだけど、そういう話ではない。
子どもたちにできるだけたくさん火遊びをさせたい、と思っていたら、このやり方が一番ぴったりだった、というだけのことだ。
ガスバーナーやグリル、ガスランタン、テーブルセットなど、かっこいいアウトドアグッズを使いこなす楽しみも男性としては理解できるんだけど、道具に頼りすぎるとそれだけ子どもが関わる部分が減ってしまう気がするんだよね。
それに、キッチンをそのまま移動してきて、日よけ虫除けネットの中でこじんまり家族だけで充足する姿には、どうにも「野外」という非日常の開放感が伝わってこない気がするんだ。
薪集めも火起こしも、かまど作り、火の調整、ナタの使い方、そして野外での後始末のつけ方にしても、やればやるほど経験値が増して、楽しさもアップする。場所に応じた適応性も身につく。
子どもたちはそんなプロセスを通して、大人が教えなくたって、たくさんの楽しみを勝手に見つけ出していくのだ。
なによりも、これをマスターしてくれれば、子どもたちが父親になっても役立つはずだし、僕はビールを飲みながら見ているだけですむので、楽ちんなのだ。
妻は、涼しい木陰でお菓子をポリポリやりながら、文庫を読んでいればいいのだ。
そんな野外料理でタナカ家で定番の安上がり網焼きレシピをご案内。
肉や魚のレシピはキリがないので、今回は子ども向け。
1. フランスパンのホイル焼き
細めのバゲットの中身をフォークでほじくり出し、その中にざく切りのキャベツ、角切りのコンビーフ、あればチーズ、粒マスタードなどを詰め、アルミホイルで2重に巻き、遠火で焼くだけ。エビとタマネギとほじくったパンの中身を細かくちぎったものを、オリーブオイルでにんにく、パセリのみじん切りと共に炒めたものを再びバゲットに詰めて焼けば、英国風になる。
裏返しながらじっくり火を入れて、熱いうちにかぶりつく。
外側がパリっとして、詰めものと絶妙な相性だ。
2. 空豆、竹の子の炭焼き
生のものをそのまま網焼きするだけ。
空豆は、火が直接舐めない程度の距離で焼き、外側が焦げてしんなりしてきたら、軍手のままサヤをむいてフハフハと食べる。これはやったものにしか分からない野性的な旨さ。ゆでてしまったら、旨味も逃げちゃうんだよね。
竹の子も皮をむかずにそのまま焼いて、外側が焦げてきたら、何枚か皮を剥いてじっくりと火を通す。適当なところで、縦半分に割り、内側に醤油と酒とショウガを混ぜた薄めのタレを塗り、その内側を下にして少しだけ焼いて仕上がり。この旨さも、ブログでは表現できないね。
飲み屋では、蕗味噌を塗って焼いたりしていた。
3. 焼きおにぎり
これは、子どもがいる場合は必須。
ただしこのためにご飯を炊いたり、カミサンに頭下げて握ってもらうのは面倒なので、コンビニで海苔と別々になってるおにぎりを買ってきて焼く。
最近のおにぎりは柔らか目に握ってあるので、海苔を外してからもう一度包み直してギュッと数回握っておく。
醤油と酒、みりん少々と胡麻を混ぜ合わせたタレを薄く塗りながらまんべんなく焼く。表面がこんがりしたら、外しておいた海苔を巻いて食べる。
僕は、赤飯おにぎりを焼くのがお気に入り。
まずは、このような簡単メニューで子どもたちの腹を満腹にしてしまい、食べることに飽きた子どもたちがかまどから離れたら、「しめしめ」と合図を交わしあい、クーラーボックスに隠し持っていた割合と上等なものを焼くのだ。
ちょうど炭火もいい感じに落ち着いているはず。
まず、たたみいわしをさっと炙って、ビールやぶどう酒で乾杯。
次に、イサキの塩焼き、ブリのカマ焼き、マグロのホホ肉焼き・・・どんどん酒と会話が進む。
ということで、BBQは、常に第二部としての大人コースを用意するのが、実は本当の楽しみなのだ。
肉や野菜を市販のタレに食べているうちは、まだまだお子様の部類。
大人たるもの、魚にこそBBQの悦びを見つけなくては。
もしも匂いに釣られて子どもたちが戻ってきたら、慌てずに袋菓子や花火などを渡して速やかに、にこやかに追い払う。
子どもには知らなくてもいい味の世界がたくさんあることをここで示すのだ。
書いている最中から腹がぐるぐる鳴り止まなくなってしまった。
自虐的に書き進めたが、この辺が限界。
最後に一言。
ゴミは絶対に家まで持ち帰ること。

2件
ふわふわ
2008/05/22 08:55
楽しそう!我が家は庭で金網です。なんでもそろって便利ですが・・・
今年は川原で、楽しみたいなと思いました。
もちろん、大人用と子供用品持っていきます。
ままん
2008/05/24 21:19
「たき火」って、なんか、
人間の本能をくすぐりますよね。
子どもにも、火の楽しさとか、こわさとか
経験させて上げたいな〜と思うのですが、
ふだんはなかなか・・・
それにしても、田中パパのメニュー紹介、
どれもおいしそー。
田中パパ、実はお料理の記事を書くお仕事???